「人事を制する者は経営を制す」

2011年 有限会社人事・労務 年頭所感「明日への『使命感』を持ち続ける」


新たな年がはじまった。
今年は、「ミッションをもったかっこいい大人を世界中に増やす」
という使命をもって具体的にビジョンとして行動に移す時だ。

今、神田昌典氏と渡部昇一氏の対談を纏めた『日本人の成功の法則』が
ベストセラーになっている。
その中の一節で、東西に分断されていた当時のドイツの経済格差を
目の当たりにした渡部さんが、なぜ西と比べ東は繁栄しなかったのかに
ついて解説している。私自身の仕事にも、そして日本の行く末にも興味深い内容だった。

渡部さんが言うには、東は、夢を描くことができないという。
共産主義の下、計画を立て、これをしろ、あれをしろ。一方西は、自由主義。
「してはいけないことはこれだけだ、それ以外は何をしてもいい」という政策。

逆を言えば、禁止されていること以外は何をやってもいい。
だから、“夢を描ける国”が繁栄したのだと。

私は、クレド(信条)の意義はここにあるのだと思う。
クレドの価値基準の枠からはみ出なければ何をしても良いということ。

マニュアルも大切だが、計画や論理の世界からロマンや当事者意識は生まれない。
左脳ももちろん大切だが、人の意識を変え行動を起こすには、
クレドを軸とした右脳型のマネジメントを取り入れることも必要だ。
会社が伸びていく秘訣はそこにあるのかもしれない。

ところで世の中は、約70年周期で大きな転換を迎えるという。
明治維新、太平洋戦争、そして2015年、
次の大きな変革の時代はもうすぐそこまできている。
それは、我々が今進めているまさに新しい資本主義の方向性であることに間違いない。
モノやお金中心の資本主義の世の中から、共感資本の時代こそがこれからの企業の競争力になる。
コカコーラの目に見えない資本は、7兆円といわれている。
これからの競争の軸は、自己投影型社会の中で、
この目に見えない“共感資本”をいかに高めるかの勝負だ。

日本人にはもともと人を思いやる助け合いという精神がDNAとして存在している。
それははるか昔の農耕文化にさかのぼる。
陰徳を良しとする日本の文化の中に、その考えは今もはっきりと存在する。

現に、昨年末から児童施設にランドセルを贈った方がいる。
その行為は共感共鳴し合い、瞬く間に日本中に広がっている。
一種のブームという人もいるが、このことは経済にも表れている。
我々に出来ることそれは、自らの共感資本を高め、そして周りにもその大切さを伝えていく。
そして、共感資本を高める会社が増えるということは、
つまるところミッションをもったかっこいい大人が日本中に増えることである。
それは、世界一幸せな国・日本の創造へとつながるのだ。

2010年には、私達(有)人事・労務が母体である日本ES開発協会主催の活動
Good jobプロジェクト」の一環で、フェアトレードや児童労働、
限界集落といった活動に関わるブースが集まるお祭「グリーンフェス」という
新たな試みを行なったが、予想を上回る1,000名近い方が参加していただいた。

そして参加者の中には、日光街道143Kmの道のりをゴールし
「どうして自分が最後まで歩ききったかがわからない。
なぜ大人にもなってこんな企画に参加したのか?」と自然に溢れる涙を
止めることなく話す人がいた。
またある方は、「このイベントに参加して、自分はまだまだやれるのだ
という自信ができた。
かっこいい大人の意味、それは、ミッションをもった大人であることだ」とおっしゃっていた。

今年はこの「ミッションをもったカッコいい大人を世界中に増やす」
という使命感をもって、私たち自身が皆様に届ける前に、
まずは我々がこの使命感を実践するのだ。
 
社会保険労務士・キャリアコンサルタントとして日本唯一の
社会貢献を軸とした団体をもつ我々。
そしてESのコンサルタントであり、人事コンサルタントであり、
規程を作成することが出来る。
そして我々がそのような社会をつくりだすにふさわしい人材であるように、
一人ひとりのスタッフが心をみがく努力をすることだ。
集団として、これからの「社会によろこばれる会社をつくる」という
ビジョンに対して我々がやるべきこと、世の中の期待に応えなければならないことは、
多々あるはずだ!

例えば、クレドを作成する意義は、組織ブランドを作ること。
組織能力を高めるツールがクレドである。共感資本を高めることは、
自己投影社会の中で企業が競争力を生み出す。
人、金、物、情報のもう一つの競争力の源泉である社会的課題や
環境についての解決策を第5の競争軸として経営にもりこむことだ。
これは、なにもコカコーラのような大企業のブランド戦略を
意味するものでなく、中小企業こそ価格競争に負けない分野を
探し出し地域や業界によろこばれる会社としてピンポイントで
定めた小さな世界で一番になるように経営を研ぎ澄ましていかなくてはならない。
エネルギーの分散を防ぎ集中して経営を磨き上げることだ。

そのためのツールとして、クレドを創り皆の価値、
行動基準を一つのベクトルへ集中していくのだ。

今後、同じ方向性をもつ株式会社オルタナとの提携、
そして「グリーンクレド」という新しい企画やグリーンアクション、
クレドを用いた報酬、規程の整備などいままでのESクレドやビジョンに
グリーンという要素を盛り込み地域や市場から応援されやすい体質を作る。

まさに「社会によろこばれる会社をつくる」お手伝いをする集団として
我々が力を発揮するときが今なのだ。
一社でも多くの会社が平たく言えば、
「世の中から必要とされているという自信」を全社員が
共有できる場として機能していくということだ。

“人にやさしい”というES的視点に加え、更に正義・地球や地域社会、
環境など大きな枠組みへの貢献、新時代への新しい価値の創造という視点を
企業に広め、根付かせていくことが必要である。

地域で活躍する場をつくることで日本のリーダー達を輝かせ、
会社を輝かせることは、日本全体に誇りと勇気を取り戻すことに通じるはずだ。
そして今までの資本主義の枠組みに埋没していたリーダー達に、新たな光を与え、
会社で地域で活躍する場をつくることは、日本の新しいリーダーを輝かせ、
会社を輝かせること、それは日本全体の誇りと勇気を取り戻すことに通じるはずなのだ。

今年一年、これのみを考え、一心不乱に進んでいこう。
そして、多くの共感する仲間と共に力強い一歩を踏み出すのだ!


有限会社人事・労務
代表取締役 矢萩大輔





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